コラム・ニュース
(今日の一言)トランプ大統領に権力はない
2018年9月13日 16:00
コラム
2000億ドルの制裁関税第3段があるのかと思いきや、ムニューシン財務長官主導で中国に対して新たな通商交渉を提案との報道がありました。2000億ドルのみならず、残りの2670億、中国からの輸入ほぼ全てに対して関税を課すと言ったばかりなのに、妥協案を出す。トランプ政権は本当に信用なりません。NYタイムズの匿名投稿にもありましたが、政権内の「大人」が、政権が変な方向に行かないように、小学5/6年生程度の理解力しかないトランプ大統領をなんとかコントロールしているので、こうしたことになるのでしょう。
“Two-Track Presidency”(2つのコースの大統領制)と匿名投稿は表現してましたが、合衆国憲法修正第25条の検討までされたと書いてありました。これはトランプ大統領への脅迫に近い。変なことをしたら、大統領を首にしますよと言っているようなものです。既にトランプ大統領は実質的な権力がないと言っていいのかもしれません。
(今日の一言)もうすぐ、リーマンショック10周年
2018年9月12日 16:00
コラム
もうすぐリーマンショックから10年が経ちます。マスコミは、「次の危機はどこから来るのか?」と言う特集ばかりです。トランプ減税もあったので、そんな簡単に景気後退はこないと思ってましたが、新興国が少しずつダメになってきており、やっぱり準備が必要なのかもしれないと考えを変えているところです。
危機はどこから来るか? それは信用が伸びているところではないでしょうか。アジアの各都市、不動産価格がこの10年ぐらい凄く上昇しました。それから経常収支が赤字、対外債務が大きいところはすぐにダメになります。最終的には米貿易政策の結果「中国」に至るのかもしれないですし、米国も上昇著しいFAANG株に来るのかもしれません。
ドル円はリーマンショックの1年前から崩れ始めました。今はどこに行くのかわからないドル円ですが、もし下げ始めた場合、将来の「危機」を暗示しているのかもしれません。
(今日の一言)ドル円の年間レンジ
2018年9月11日 14:00
コラム
僕はあまり年間レンジ等にこだわらない方です。毎年毎年、相場は常に新しいので、年間レンジが5円の時もあれば、50円の時があってもいいのではないかと思ってます。過去を分析すれば未来がわかるのか?という命題に完璧な答えはないと思いますが、過去を分析しても未来は「ある程度」しかわからないと思ってます。でも逆に、ある程度はわかるはずと、今回はポジティブに考えてみます。
今のところドル円高値113.39円、安値104.56円、レンジ8.83円(7.84%)です。これまでの最低レンジは2015年の10円(8.35%)、このままだと過去最低レンジ更新です。そうならないとすれば、残り3ヶ月半ですが動き出すはず。また、2015年は動きませんでしたが、翌2016年は22.67円レンジと大きく動きました。2006年も年間レンジ10.89円と狭かったのですが、その後「リーマンショック」で大きく動くことになりました。待てば動くはず、辛抱したいと思います。
(今日の一言)ジョン・マケイン氏の死
2018年9月10日 12:00
コラム
8月25日、ジョン・マケイン氏が亡くなりました。私はマケイン氏のことをよく知っているわけではありません。ベトナム戦争の英雄であり、オバマ元大統領と大統領選を戦い、トランプ政権に対し「歯に衣着せぬ物言い」で批判しました。驚いたのは、彼が亡くなったあとのマスコミの取り上げ方です。元大統領の死以上と言って良いくらい時間が割かれ、画面がマケイン氏一色でした。
そして、それ以上に驚いたのは、先日市場を揺るがしたNYタイムスのオピニオン記事です。「私は政権内の抵抗者です」という匿名の政府高官の投稿ですが、最後の部分に、マケイン氏の死が投稿者を突き動かし、投稿に至ったと書かれてます。死んだ後により影響力が強まる、諸葛孔明ではないですが、本当に偉大な人は凄いなと感じさせられました。マケイン氏の死が米政局を動かしつつあります。
(今日の一言)雇用統計より通商問題
2018年9月7日 17:50
コラム
本日雇用統計が発表されますが、マーケットの焦点ではないと思います。アメリカ経済が良いのは分かりきってるので、雇用増が15万でも25万でも関係ないと思います。平均賃金もそれほど神経質になる必要はないでしょう。
通商問題、次は日本となった以上、機関投資家も様子見姿勢になるでしょうし、やはり円高かなと思いますが、みんな同じようなポジションになるので、意外に走らなかったりします。そこは注意でしょうか。
外為どっとコムにて「外為マーケットレビュー」のコンテンツが更新されました
2018年9月7日 14:00
お知らせ
外為どっとコムにて毎週金曜日に更新しているコンテンツ「外為マーケットレビュー」がUPされました。下記ページよりご覧ください。
◆外為どっとコム:【外為マーケットビュー】 「力説!トレードシナリオ」http://tv.gaitame.com/g_player/GaitamePlayer.html
(今日の一言)金利を上げると、通貨が下落?
2018年9月6日 13:30
コラム
台風被害があったばかりなのに、今度は北海道で地震。全域停電し、一部は断水と聞いております。一刻も早い復旧を願いつつ、心よりお見舞い申し上げます。
昨日に続いて豪ドルネタを。このところ、オーストラリアの大手銀行が住宅ローン金利を上げると、豪ドルが下落するというパターンが続いております。先日はウエストパック、本日はANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)です。
しかし、金利が上がると通貨が下落するというのはしっくり来ません。住宅金利上昇で、消費者の利払いが上昇し可処分所得が減少、経済減速で政策金利上昇が遠のくという理屈のようですが、そういう連想が働くということは、そもそもオーストラリア経済は利上げに耐えられる状況にはないということなのでしょう。つまり、RBAはこの先「利上げ」を想定してますが、それは無理ということです。
27年間続いた経済成長ですが、それが止まるかもしれない瞬間が近づいているということなのかもしれません。
(今日の一言)27年間景気後退のない国
2018年9月5日 13:00
コラム
台風21号は各地に甚大な被害をもたらしました。被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。
2四半期連続してマイナス成長だと「景気後退」と定義されてます。昨日、南アフリカ4-6月期GDPが予想に反して-0.7%となり、南アは「景気後退」となりました。その一方、先程発表されたオーストラリア4-6月期GDPは予想0.7%を上回る0.9%、対前年同期比では3.4%(予想2.8%)と良い数字でした。
オーストラリアは27年間景気後退を経験してません。2011年に瞬間マイナス成長の期がありましたが、連続とはなりませんでした。コモディティブームはありましたが、ブームが終わっても金利を下げ、景気を軟着陸させてます。素晴らしい経済運営と言えるでしょう。しかし、その間に不動産価格は猛烈に上昇しました。アジアからの資金流入のためですが、かなり経済にレバレッジがかかっていることは確かです。お隣のニュージーランドやカナダ等も同様です。
27年間景気後退がなかったことは素晴らしいのですが、これがいったん崩れると衝撃も大きいと予想されます。コモディティ価格の下落は、それを暗示しているのかもしれません。
(今日の一言)「VAT」
2018年9月4日 13:20
コラム
最近、VATという言葉を目にします。普通はValue Added Tax、付加価値税(日本の消費税)のことですが、Venezuela、Argentine、Turkey(ベネズエラ、アルゼンチン、トルコ)と最近問題になっている3カ国のことだそうです。
この3カ国を同列に並べるのもどうかとは思います。ベネズエラは経済崩壊しているので、どうしようもない。しっかりとした新政権ができるまでダメでしょう。アルゼンチンはIMFの助けが必要ですが、政策金利60%なので、もっと通貨が下落し、経済の安定が見えてきた場合、プロには良いトレードチャンスになりそう。虎視眈々と狙っているヘッジファンドはあると思います。
トルコは、上記2カ国と比べると、かなりマシです。ですが、エルドアン大統領が口にしている政策が続けば、どうなるかわかりません。中銀が次の利上げを明言しましたが、13日にトルコ中銀が利上げを実行できるか見てみたいですね。
まぐまぐ無料メルマガ開始!
2018年9月3日 17:00
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毎週月曜日、為替相場の状況を一言で解説する「志摩力男の今週の一言」をまぐまぐメールマガジン(無料)で配信スタートします。志摩力男の執筆・活動情報などもお伝えできればと思います。ぜひご購読ください!
「志摩力男の今週の一言」
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マネックス証券にて「週間為替展望」の動画が更新されました
2018年9月3日 15:00
お知らせ
マネックス証券にて毎週月曜日に更新している動画「週間為替展望」がUPされました。動画は下記ページよりご覧ください。
◆マネックス証券:志摩力男の週間為替展望https://info.monex.co.jp/fx/fx-plus/seminar/weekly.html
(今日の一言)変動率高まりそうな為替市場
2018年9月3日 12:14
コラム
今週は米国を始め様々な経済指標が出ますが、やはり最大の注目は、トランプ政権による対中制裁関税第3弾が発動されるかどうかでしょう。過去2回の制裁と比べ格段に金額が大きく、中国経済のみならず、米経済に与える影響も出てくると思われます。
日常品まで値上がりしてくると、決して中間選挙に好影響はないような気がしますが、どうなのでしょうか。発動されると、市場はどうしてもリスクオフ的方向に動きますし、新興国への影響も大きいでしょう。
欧州でも、BREXIT交渉の期限が近づいてますし、為替市場が大きく動き出す条件が揃いつつある感じがします。
(今日の一言)アルゼンチン
2018年8月31日 13:45
コラム
最近FXを始められる方は、本格的な通貨危機を経験されたことがないと思います。通貨危機には様々な要因がありますが、根本は外貨不足です。外貨とはなにかと言うと基本的にはドルです。
アルゼンチン並みの危機になるとそう簡単には終わらないので、他の国やマーケットへの影響が問題になります。しばらく市場は危機モードでしょうか。
J-CAST会社ウォッチにて「米国の一人勝ちはいつまで続くのか」がUPされました
2018年8月30日 17:30
お知らせ
J-CAST会社ウォッチで連載中のコラム「志摩力男のFX運命の分かれ道」にて、「米国の一人勝ちはいつまで続くのか」がUPされました。記事は下記ページよりご覧ください。
◆暴落したトルコリラ、「米国の一人勝ちはいつまで続くのか」通貨かも……
https://www.j-cast.com/kaisha/2018/08/30337339.html?p=all
https://www.j-cast.com/kaisha/money/fx_fate/
(今日の一言)メキシコの金利は240%ではない
2018年8月30日 11:00
コラム
時々「ん!?」と思う広告を目にします。あるWEB広告に、メキシコペソ10万円分購入で一日のスワップポイント660円とありました。それを見た人は「一日660円なら、一年で660円×365=24万円、10万円で24万円儲かる!」と思うでしょう。年利240%です。
しかし、メキシコの金利は240%ではありません。政策金利7.5%、1年の市場金利は8.15%程度です。最低投資金を元に計算とは書いてありますが、曖昧です。レバレッジを最大限効かせるため、10万円とはいえ250万円相当の元本を持ち、よって4%の相場変動で元手の10万円は消える、ということを説明すべきです。
もちろん当のFX会社さんでは、個々のお客様にそうしたことを十分に説明されていると思います。高いスワップ金利を付けているのですから、良心的な会社でしょう。しかし日本では、大手の金融機関でも、法的要件は満たしているかも知れませんが、意図的に顧客をミスリードしているとしか思えない、不誠実な宣伝が多すぎます。少なくとも、私自身は、そうした誤解を招くことのないようにしたいと思っています。