(今日の一言)次の金融危機を懸念するロゴフ教授
2019年2月6日 20:00
コラム
米国株は力強く回復してますが、次の経済危機、金融危機を懸念する声は消えません。「国家は破綻する」の著者であり、元IMFチーフエコノミスト、ケネス・ロゴフ教授は英ガーディアン紙に「次の金融危機はすぐに来るかもしれない (The next financial crisis may come soon – are we all that safe?)」と書いています。
リーマンショック後の対応で、金融機関はかつてと違いかなり危機に対する対応力を付けたことになっています。それはそのとおりだと思います。しかし、危機は予想した方向からやってくるわけではありません。ロゴ不教授は従来とは全く違う形から金融危機は起こり得ると警告しています。それはサイバー攻撃かもしれないし、ソブリンデフォルトかもしれないと。
年末年始の頃から比べると、米国を中心に株価は大きく戻しました。しかし、危機が消えたわけではないと思います。米国が実質的に利上げを中止したので、新興国投資が良いと仰る方もいます。米金利上昇が新興国経済を圧迫するので、米金融引き締めが止まったことは、確かに新興国には有利に働きますが、経済はそれだけで動いているわけではありません。本当に危機が来た場合、最も影響を被るのは新興国です。
本日、豪ドルが急落しました。ロウ豪中銀総裁の発言がきっかけですが、1月3日に70円前後まで落ちた豪ドルを80円近辺で買うというは、どうかと思います。危機は消えてないでしょう、そして次の危機の震源はおそらく中国になります。その時、豪ドルは最も影響を受ける通貨です。今はまだ警戒を解くタイミングではないと思います。