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コラム

(今日の一言)日銀金融研究所、マイナス金利撤廃を提言

2018年11月16日 18:00

コラム

 日銀金融研究所が先日発表した “Macroeconomic Effects of Quantitative and Qualitative Monetary Easing Measures”(小枝純子氏)が話題になってます。論文の中で小枝氏はマイナス金利撤廃を示唆しており、政策変更に向けて「地ならし」しているのではないかとの思惑を呼んでいます。

 マイナス金利政策が、理論的にはともかく、金融機関の収益・体力を奪うことで、事実上実体経済に悪影響を及ぼしているということは、多くの金融関係者、特に債券トレーダーのコンセンサスでもあります。日銀もようやくそちらの方向に進むつもりなのでしょう。しかし、今までそれを妨げてきたのは、そのことで円高になることが怖かったからです。

 日本の金融政策は、表向きデフレ脱却という目標を掲げてはいますが、実は為替相場コントロールという「裏の」目的の方が大きかったりします。その事情は、どの中央銀行も多かれ少なかれ同じであり、スイス中銀が異常なマイナス金利政策を続けるのは、スイスフラン高を防ぐ、ただその目的だけです。

 しかし、政策を変えるのであれば、FRBが引き締め政策を行っている「今」じゃないでしょうか。相場等の変動により、FRBの引き締め政策が頓挫した場合、日銀は永遠にチャンスを失います。また、政策変更とは言え、-0.1%が0%になるだけです。それ以上の引き締め意図はないと明言すれば、市場の反応も限定的だと思います。

P.S.
 一昨日、我々の業界の先輩である今井雅人氏が国会において質問し、桜田義孝サイバーセキュリティ担当大臣が「パソコンを使ったことがない」という答弁を引き出し、これが海外で反響を呼んでいます。
 
 それはそうでしょう。ありえない話です。何も知らない人をトップに持ってくる自民党の人事は問題ですね。こうした事実は、今井氏が指摘しなければわからなかったことです。これからも今井氏には頑張ってもらいたいなと思います。

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