(今日の一言)中国に対する共同幻想
2018年10月11日 14:30
コラム
米国株が急落しました。これまで米国株相場を支えてきた大きな要因の一つに巨額の自社株買いがありますが、通常決算発表前の一ヶ月自社株買いはストップします。今はその時期にあたります。また、歴史的に9月10月は株価が下げやすい期間でもあります。
ただ、それだけでは株価下落のタイミングを読むことは難しいです。やはり先日「今日の一言」でも書きましたが、ペンス副大統領の「政権の対中政策」演説が大きかったのだと思います。実質的に静かな対中(貿易・覇権)戦争が始まった以上、金融市場が多少血を見るのは致し方ないでしょう。ペンス副大統領の硬い表情はその覚悟を物語っていました。また相手(中国)としても、米国の一番脆弱なところ、金融市場を狙うのが一番効率が良い。リーマンショックのような経済危機が訪れたら、関税引き上げどころではないでしょう。
すみません、この最後の(また~)からの部分は僕の妄想です。そうなると言っているわけではありません(念の為)。しかし、米ヘッジファンド、グリーンライト・キャピタルのデイビッド・アイホーン氏は中国からの対抗措置を懸念してアップル等の持ち株を売ったと言ってました。同様な「妄想」に駆られるトレーダーは少なくないので、見えない敵に対する共同幻想から株価が更に下落する局面があったとしても不思議ではないでしょう。