(今日の一言)ビル・グロース氏の引退
2019年2月5日 17:30
コラム
世界最大の債券ファンド、PIMCO創業者の一人で、Janus Capital のファンドマネージャーであったビル・グロース氏が引退すると昨日発表がありました。感慨深いものがあります。
数年ほど前までは、FOMCの発表等があるとき、CNBCのスタジオには必ずビル・グロース氏がいました。彼が発するコメント、解釈が業界の「ベンチマーク」であり、正しい正しくないを超えて、皆が拝聴しました。なぜならその時彼は本当に債券「王」だったからです。
彼が月に一度書く”Investment Outlook”は、ウィットに富んで面白いものでした。著書もあります。「発想の大転換―21世紀に向けての投資運用」は、トレードというか、トレーダーという生き方のヒントが満載されたものでした。正確な言葉は忘れましたが、トレーディングで失敗する人は「業界で生き残ろうという執念にかけている」と厳しく指摘され、ハッとした覚えがあります。
ここ数年は残念な感じでした。バフェット氏やジョージ・ソロス氏が依然として現役でいることを考えると、引退はちょっと早い(74歳なので、十分遅いのですが)? といいますか、やはり寂しいなと思います。