(今日の一言)今年は2016年か、それとも2007年か
2019年1月22日 18:55
コラム
今のマーケットは2016年初頭に少し似ているなと感じます。当時作った資料等を見返すと、2016年は年初から、米国株、日本株、原油、そしてドル円も全て下落しましたが、理由は「中国市場の乱調」です。FRBが着々と引き締め路線に転じ、金融引き締めが途上国経済を圧迫するという議論がありました。中国バブルがついに破裂? という見出しも踊りました。
しかし、マネックス証券の広木さんは「中国経済を問題視する人は多いが、中国に行っても全然景気後退しているとは思わない」と強気姿勢でOKと仰ってたのを記憶しています。実際、その通りになりました。今から思えば絶好の買い場でした。
2007年というのは、リーマン・ショックの前年です。パリバ証券のファンドが潰れたり、サブプライム問題が顕在化するかしないか、ギリギリのところでした。まだ、多くの当局者は問題を把握してませんでしたが、一部の鼻の利くヘッジファンド勢や投資銀行の一部が、クレジットバブル崩壊を予想してポジションを組み始めた頃です。その後の経緯はご存知のとおりです。2009年3月まで、ベア・マーケットが続きました。
今年が2016年なのか、2007年なのか、まだ結論できないところだと思います。2016年の時は、上海G20で「上海合意」というものがあり、FRBは金融引き締めを急がない、中国は自国経済立て直しに財政出動するということが決まったと言われています。今は米中対立しているので、お互いに経済を調整する機運はないと思いますが、FRBは2016年の時同様、金融引き締めを急がないことになったのだろうとは思います。
2016年、ドル円は結構動きました。2007年も動きました。どちらにしても、為替相場はよく動いたので、期待します。