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コラム

(今日の一言)「犯人は金融庁」

2019年3月14日 21:40

コラム

 最近、本邦金融機関によるCLO投資が話題になっています。農林中金を始め、かなりの金額(10兆円以上)投資されているため、金融庁が新たな規制をかけようとしています。そのため高格付けCLO市場への資金流入が止まり、FRBの金融政策が転換したにもかかわらず、金利が高止まりしているとの報道がありました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42242410Y9A300C1000000/

 しかし違和感があるのは、CLO投資のことではありません。日本に金利がない以上、金融機関はどこかでリスクを取ってリターンを得なければなりません。問題は、この記事の文中の「犯人は金融庁だ」という表現です。これまでであれば「金融庁の方針転換が影響を及ぼしているようです」等々、もっと柔らかい表現を使うところでしょう。事実、グーグルで検索しても同じ表現は出てきません。

 金融庁を犯人呼ばわりするのは、規制官庁なので、ちょっと気を遣います。僕も今書きながら、ちょっと気を遣っています。それでも日経の記者の方が、さり気なくこの様な表現を使うということは、業界内で金融庁に対する見方が変化している、はっきり言えば不満が溜まっているという証拠なのかもしれません。

 日銀による極度の金融緩和により、国内金融機関は「兵糧攻め」にあっているようなものです。金融抑圧とも言いいますが、本来金融機関が得るであろう利益が、国に移転されています。これは一時的な政策のはずでしたが、この政策はあまりにも国にとって快適です。金利負担がなく、国家債務圧縮が進みます。しかしどこかに限界があるでしょう。円高にならないのは、「兵糧攻め」に苦しむ金融機関が、城の外にでて一戦交えようしているからかもしれません。  

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