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コラム

(今日の一言)Gゼロって、本当?

2019年2月15日 19:50

コラム

 G-ZERO(Gゼロ)という表現を初めてお聞きになる方もいるかも知れませんが、これは地政学のコンサルティング会社、ユーラシアグループの創業者であるイアン・ブレマー氏が作った言葉です。かつては米国とソ連という強大なグローバルパワーが有りましたが、ソ連が消滅し、米国の国力も落ちて、グローバルなスーパーパワーが一国もない不安定な状況という意味に使っているようです。

 しかし、本当でしょうか。中国が台頭してますが、米国の力はかつてなく強いように見えます。あえて正確に言うならば、GゼロではなくてGツー、もしくは米国が唯一のスーパーパワーでしょう。世界中の海は米国の艦隊によって守られてますし、米企業の収益の伸びは他の国を圧倒しています。日経新聞が1月23日に伝えてますが、米企業の純利益は過去10年で3.8倍となり、利益の世界全体に占める割合は10年前の25%から39%と拡大しています。リーマン・ショック後に7000ドル前後だった米ダウが4倍近く上昇していますが、ほぼ米企業利益の上昇幅と合致しています。

 米企業は米国だけがマーケットではなく、世界中で稼いできます。他の地域の企業収益が相対的に落ち込み、米国だけが勝つ構造となっており、その傾向は今後もより強化されそうな気がします。米国一人勝ちです。中国は自国をグレートファイアーウォール、情報の万里の長城とよばれる「金盾」で守っているため、米企業が入り込めず、アリババやテンセントと言った自国の情報巨大企業を育てることができました。しかし、これも今後変わっていくでしょう。

 株価は企業業績に連動します。米国株があまりにも割高と指摘する人もいますが、企業収益、そして将来性を考えるとそんなことはないのではと思います。ただ、今この水準でロングするのが良いかと言われても、困る高さです。また落ちて欲しいなと思っていますが、そう思っている人は多いのでしょう。

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