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コラム

(今日の一言)民主主義のコスト

2019年1月24日 20:10

コラム

 資産運用EXPOが東京ビッグサイトで開催されました。私はマネックス証券様のブースにて11時ー11時半で軽く講演させて頂きました。10分前になってもどなたもいらっしゃらなかったので、大丈夫かな、誰もいないところで話すのかなと心配になりましたが、結果的に立ち見の方も沢山いらっしゃいまして、盛況でした。人が集まると、より集まるということがよくわかりました。

 本日は米中対立という命題にしましたが、明日はブレクジットに関して講演します。英国の政局が混乱しており、それを見ているととてもポンドを買おうという気にはなれないかもしれません。本当にあの人達は最後にまとまるのでしょうか? 不思議かもしれません。でも、最後にはある程度まとまると思います。歴史的大差で離脱案を葬り去りましたが、実はそうしておきながら、それに近いものにまとまる確率が高いのではないでしょうか(もしくは国民投票です)。

 イタリアの財政赤字が昨年議論になりましたが、あの時に少し似ています。イタリアの政治家を見ていると、とてもまともなことを言っているようには見えませんでした。しかし、あれも民主主義のコストみたいなものでしょうか。政治家には支持者がいます。彼らが当選するだけの票を得られた理由、支持者の期待があります。ニッチもサッチもいかないイタリア経済。それに対するフラストレーション。政治家は戦う姿勢を見せなければなりません。欧州委員会という強敵に対して。

 しかし、イタリアの財政問題はいつの間にか両者の中間点ぐらいのところで妥協して終わっています。支持者もわかっています。どうしようもないことを。でも、戦わないで妥協する姿も見たくないでしょう。「戦っているフリをする」ことがいつの間にか政治家の大事な仕事になっています。民主主義のコストは高いなと最近思います。

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