(今日の一言)クラリダ・プット
2018年11月19日 12:30
コラム
かつて株式市場が下落すると「グリーンスパン・プット」「バーナンキ・プット」という言葉がよく使われました。要は、プットオプションを購入していれば損失が限定されるように、FRBが金融緩和方向に踏み切ることで株価を支えてくれる、FRBそのものがプット・オプションの役割をしてくれるという意味です。先週金曜日のクラリダFRB副議長の発言は、まさに「クラリダ・プット」とでも呼べるものでした。
クラリダ氏は「世界経済が減速しつつあることを示す一定の兆候がある」「現在のところ政策金利は中立金利を下回っているが、承知の通り近づきつつある」と景気減速の兆候と利上げ局面の終わりが遠くないことを示唆しました。12月の利上げ確立は低下し、米長期金利は3.06%へと軟化してます。
先週木曜の今日の一言で「しっかり前を見ると。。。」でも書きましたが、このところのドル軟調にはかなり違和感があり、米景気減速を織り込みに行く動きがあるのではないかと指摘しました。とはいえ、強気の主張を繰り返してきたパウエル議長が金融緩和的な発言をするわけにはいきません。それはトランプ大統領にFRB議長がおもねることになってしまいます。そこに「クラリダ・プット」。見事なFRB内連携プレーです。おそらく、ウォールストリートの内部では噂等になっていたのかもしれません。
もちろん、FRBが金融緩和に舵を切ったわけではありませんが、景気の下サイドを考慮していることを言っただけでも、10月の株価下落、原油価格の急落で揺れている市場へ安心感を与えます。「クラリダ・プット」という言葉が生まれるかどうかわかりませんが、パウエル議長と役割分担しつつ、金融調整の微調整を図ろうとしていることは伺えます。
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