(今日の一言)S&Pイタリア国債格下げ見送り
2018年10月29日 17:00
コラム
S&Pがイタリア国債格下げを見送りました。個人的には、的確な判断だと思います。ムーディーズは格下げしたものの、見通しを「安定的」としました。これでしばらくこの問題は幕引きとなります。
ポピュリスト政権ですが、彼らのやっていることは全てデタラメみたいに言う論調には違和感があります。財政案は少なくとも3.0%の安定条項を(余裕を持って)守ってます。せっかく国民が選挙で選んだわけですから、喧嘩もせずにEU側の言うことを丸呑みして2.0%以内の財政を提出したとしたら、がっかりです。上手くバランスを取ってやっているなと個人的には思います。
先日、エコノミスト誌が175周年を迎え、これまでトランプ政権的な「ポピュリズム」に対して徹底的に批判していましたが、「少し反省点もある」と軽く自己批判しました。立派だなと思います。当初は全くのデタラメに見えたトランプ政権ですが、民主主義と独裁政権の歴史的な「決闘」に大きく舵を切りました。
クリントン政権でしたら、そうはならなかったでしょう。民意には鋭い感覚があるのだと信じたいところです。