志摩力男トップテキスト
コラム

(今日の一言)河野太郎氏の「為替取引税」

2021年9月22日 5:41

コラム

次の自民党総裁、最有力候補とされる河野太郎氏の著書「日本を前に進める」を読んでみました。

あくまで僕の受けた印象ですが、河野氏の主張の根幹にあるのは「合理性」です。「ハンコ」廃止に象徴されるように、それって昔からあるけど本当に必要? いらないものはやめよう、という感じです。

多くの議員がこれまで避けてきた、原子力政策、年金、社会保障等も議論しています。総じて、若い世代を代表して、問題の先送りはしないぞという決意が感じられます。

しかし、一つ見過ごせないことがありました。「為替取引税」です。

それは、それは絶対だめだ!

ただ、よく読むと、日本の税金として取り入れるというわけではなく、途上国支援のための「国際連帯税」にしようという案です。税率も0.0001%。100万通貨単位取引すれば(ドル円であれば100万ドル)1ドル(100円)支払うことになります。それぐらいだったら、まあ。。。という金額です。

でも、日ばかりのスキャルピングをする人には、痛いでしょう。ご本人も、本当は税率をどうするべきか、しっかりとした考えがなかったのでしょう。ブログに同じような内容を書いていますが、税率は0.01%になっていました。100倍も大きい!

この方法は確かにアイデアですが、世界中の国が同意することが前提であり、それはやはり難しいでしょう。

また、資本取引になにか税金をかけるというのは、絶対に良くありません。金融ビジネスを大事と思っているのであれば、やってはいけない。最初は小さな税率でも、数字をいじるだけでいくらでも大きくできます。

本の後半に「株主重視の経営が求められるようになったことが賃金のあり方に変化をもたらした、という研究もあります」という一文もありました。

大きな声では言えないが、そのとおりだと思います。会社・株主の利益と労働者の利益は真っ向からぶつかります。ROE経営ともてはやされますが、賃金を削って配当を増やしてきたのが実情です。

しかし、総理大臣を目指す人が、市場関係者の眉をひそめるような文章を書いては、いけません。反市場主義者のレッテルを貼られます。

河野さんは好きな候補でもあるので、そうした点を注意してもらいたいなと思いました。

過去配信の閲覧やセミナー動画をいつでも視聴可能。自身のポジジョンもメールで配信!

志摩力男のグローバルFXトレード!

現在のマーケットを理解するために必要な知識が得られる、実戦的なビデオスクール!

 | GogoJungle M2J