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コラム

(今日の一言)ECB理事会、「為替」が影の主役

2021年9月6日 19:31

コラム

今週木曜日のECB理事会では、PEPP(Pandemic Emergency Purchase Programme パンデミック緊急購入プログラム)の縮小が焦点となりそうですが、本日の日経新聞「欧州中銀、開かれた緩和縮小の道」という記事には、以下のような下りがあります。

「ECBはこれまで緩和縮小の議論すら本格的に進めることができなかった。FRBよりも先に縮小に動けば、ユーロ高・ドル安が急激に進む恐れがあったためだ。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31EIW0R30C21A8000000/

金融政策は、表向き国内経済(ECBの場合、域内経済ですが)だけを見て政策を決める事になっていますが、「為替」が理由で「金融政策」を動かせないケースは、間々あります。時には、為替レートのほうが金融政策より重要と言えます。

最近動かない為替市場ですが、立派に「影」の主役です。

それは、かつてのようにインフレではなく、デフレが問題だからとも言えます。輸入コスト上昇のデメリットより、輸出競争力維持の方が大事だからです。

しかし、その状況も徐々に変わってくるのではないかと期待しています。中国は成長率が低下しており、通貨は弱い方が良いと思うのですが、人民元を高めに維持しています。メンツもあるのかもしれませんが、輸入コストを抑えたい意向があるように見えます。

資源価格が上昇すると、当然、資源輸出国が有利で、日本のような輸入国は不利です。資源、特にエネルギー資源はどうしても必要であり、どんな価格でも一定量買わなければなりません。ある種の税金みたいなもので、資金の流れは一方通行です。その時、輸出競争力に余裕があれば、為替レートが強いほうが有利になります。

為替レートが動かなくなった要因は(1)貿易収支のインバランスを為替レートで調整するという、野蛮な考えがなくなったこと、(2)インフレが消え、各国金利がゼロに修練するようになり、金利差でのトレードが困難になってきたこと、この2点にあると思います。

インフレが復活すると、金利も戻ってきます。1970年代のような高インフレの時代が戻るとも考え難いですが、今のインフレ上昇が続けば、為替レートが動き出す時代も戻ってくる可能性があるのではと考えています。

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