(今日の一言)サソリとカエルの寓話と中東
2019年9月18日 3:19
コラム
ドローンによるサウジ石油施設攻撃には驚かされましたが、どうにも解せないのが犯人の「動機」です。イエメン武装組織フーシ派が犯行声明を出していますが、イランが彼らをコントロールしていることは明白です。ボルトン氏が解任され、米国との和平が実現しそうなこのタイミングで、どうしてサウジを攻撃しなければならなかったのでしょうか。
9月16日のBSフジLIVEプライムニュースで木村太郎氏が面白いお話をされていました。サソリとカエルの寓話なのですが、なるほど~と納得させるものがありましたのでご紹介します(番組内では、カエルではなくワニとなってました)。
一匹のサソリが川を渡りたいと思っていました。しかし、サソリは泳げません。そこにカエルが現れました。サソリはカエルに「向こう岸までおぶって運んでくれないか?」と頼みました。カエルは「いやだね、お前は俺を刺すに決まっている」と返事しましたが、サソリは「君を刺したら俺は溺れて死んでしまう。そんなことするわけないだろう」と言い返しました。カエルは納得しサソリを背負って川を渡りました。ちょうど半分ぐらいに差し掛かったところ、カエルは突然、背中に鋭い痛みを感じました。「どうして刺したんだ、お前も死ぬんだぞ」。サソリは言いました「すまない、わかってはいるんだ。でもどうしてもやめられない、それが俺の性(サガ)なんだ」
木村太郎氏はこの最後の部分、「どうして刺したんだ、お前も死ぬんだぞ」「すまない、わかってはいるんだ。でも、それが中東なのさ」と紹介されてました。このなんとも理不尽なところが中東問題の難しさなのだと。。。
ボルトン氏解任(辞任?)の直接の原因となったのは、タリバンとのアフガニスタン和平交渉でしたが、キャンプデービッドにタリバンを呼んで和平の握手をする寸前に、彼らはテロ事件を起こしました。まさに「なぜ??」、クエッションマークがいくらあっても足りません。安倍首相のイラン訪問の際も、日本のタンカーが攻撃されました。客として呼ばれている、その国のタンカーを攻撃するでしょうか。これも全く意味不明であり、当初はイランがそんなことをするはずはないと思っていましたが、これで納得です。
米WSJ紙は、今回の攻撃はイラン国内の、イラン革命防衛隊を含む、強硬派によるものと分析しています。また、米国とイランの和平が進めば、フーシー派はイランからのサポートを失うかもしれません。よって、フーシー派にも積極的に和平プロセスを乱すインセンティブがあります。
https://jp.wsj.com/articles/SB12696131808382783557304585555240552165732?mod=djem_Japandaily_t
事情通の友人も同様の分析でした。イラン革命防衛軍の仕業だと。中東はまさに魑魅魍魎の世界。次のリスクは、米軍によるイラン攻撃ではないかと思います。限定的な攻撃になるでしょうが、どうなりますでしょうか。
※まぐまぐ無料メルマガでも「志摩力男の今日の一言」をほぼ毎日配信中! 無料登録は下記欄にメールアドレスを入れ、「送信」を押してください