(今日の一言)AIでは儲からない?
2019年8月6日 19:10
コラム
AI投信、苦戦目立つ 「新局面」対応に課題
人工知能(AI)を投資判断に活用し、有望銘柄を探そうとする投資信託が増えてきた。高収益を期待した個人投資家の資金を集めたが、足元の成績はいまひとつだ。なぜなのか。
日興リサーチセンターが、AIを投資判断に活用して株式に投資する国内販売のアクティブ投信(為替ヘッジなし)15本のうち、6月末時点で設定から1年以上たった投信10本を対象に直近1年間の基準価格(分配金再投資ベース)の騰落率を調べたところ、全ての投信がマイナスだった。株価指数に大きく負け、不振が目立つ。(8月3日 日本経済新聞より引用)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48119350S9A800C1PPE000/
AIが生活の様々な分野に浸透し、我々のようなファンドマネージャーの世界もAIに取って代わられるのではないかと言われています。しかし、上記の記事を見ると、今のところまだその時代には至ってないようです。
私もかつてコンピューター売買に凝って、考えられる限り、あらゆるテクニカル分析を使ってシステム構築しようとしたことがありました。いいものが出来たかに見えた瞬間もありましたが、試行錯誤の末、やはり難しいなと思いました。
結論から言うと、過去をいくら分析しても、未来はある程度しかわからない、と思い至ったからです。過去最高のパフォーマンスを出すシステムを作るのは、実は簡単です。最適化すればいいだけなので。しかし、完璧に最適化したシステムが、翌年最悪のシステムだったりします。知り合いのファンドマネージャーは、過去31年勝ち続けた、確率的には数百年に一度しか負けないはずのシステムを作ったはずなのに、本格運用をしたその年に負けたと嘆いていました。未来は、過去にはまったくない、全く別のマーケットが始まるのです。
AIは過去の情報を全て持っています。しかし、それをどう判断するか、それはその時のマーケットコンディションや、政治・経済の状況等々で全く違ってきます。今はまだ、人間の方が良い判断ができるのではないかと思っています。