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コラム

(今日の一言)平成から令和へ

2019年4月26日 21:12

コラム

 先日、北野誠さんの番組に出演させてもらいましたが、「志摩さんにとって平成とはどういう時代でした」と言われ、少し言葉に詰まりました。いい時代だったと言いたいところでしたが、平成と聞いた時、平和に成るはいいですが、平ら(たいら)に成る、平凡に成るという言葉がすぐに頭の中に想起したことを覚えています。

 昭和から平成に、元号の変化とともに日本は大きく変わりました。日経平均の高値が平成元年12月最終日(1989年12月29日)だったというのは、まさに神の啓示でした(もちろん、その時は何も感じませんでしたが)。

 1990年にビル・エモット氏の「日はまた沈む」という本が出ました。人口の高齢化から日本は大変なことになると見事に示唆していました。1992年には「大いなる代償」という本が出ました。現在、英国下院議員であり、ハードブレクジット派のリーダーであるリースモッグ議員のお父様が書かれた本で、デフレが如何に恐ろしいか、日本がどうなるかを予言していました。そして、実際にそうなりました。

 しかし、だからと言って、我々の生活が不便になったわけでもないですし、危機を迎えている感覚はありません。税金のことを考えなければ、世界中でどこで住みたいかと言われれば、やはり日本です。でも、高齢化の悪影響は今から本格化します。税金も上がるでしょう。ビル・ロジャーズは若い人は日本を出ろといいます。

 日本の歴史を振り返ると、困難な局面で日本は見事に方向転換し、立ち直っています。でも、その過去の事実に慢心してないでしょうか。人口の高齢化は以前からわかっていたことですが、それに対する対処を何もしてきませんでした。家電産業が競争力を失いました。これからAIの時代と言われていますが、GAFAと言われる巨人の前に、立ちすくんでいるだけです。背中も見えません。

 今は奇妙な安定の時期です。長期金利をゼロで抑え込んでいるので、実は負債が徐々に減るかもしれないという期待もあります。しかし、経済学でフリーランチはありえません。どこかで歪みが出てきます。実質的なマネタイゼーションは長期的には円の価値を奪うはずです。でもそのタイミングがいつなのかは、わかりません。

 令和は、どこかで大混乱になるはずです。日本株を外人が買わないのは、そういうことです。日本は、次の時代への対応ができていない。現状維持を続けて来たツケは来ます。向こう10-20年は大変な時期になるはずです。でも、それは為替トレード的には大変収益性の高い時期になるはずです。ピンチをチャンスにできるかもしれません。今は膠着してどう仕様もないマーケットですが、チャンスはきっときます。

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