(今日の一言)いつまでゼロ金利を続けるのか
2019年3月1日 16:00
コラム
このところ、黒田総裁がさらなる金融緩和の可能性をほのめかしたりしています。このところの日本経済の状況が思わしくなく、米国が金融引き締め政策を「忍耐強く」当面中止する意向を示していることから、円高リスクを避ける意味でも、金融緩和観測を発信しだしているのでしょう。今年は消費税引き上げもあります。その前に景気後退することは、財務省的には絶対避けたいはずです。
しかし、いつまでゼロ金利を続けるのでしょうか。短期のみならず、今は長期金利まで「がっつり」ゼロ近辺に抑え込まれています。機関投資家から聞こえる声は「運用先がない」。実際、変なリスクを取っては失敗(リスクパリティ・ファンド、かぼちゃの馬車等々)する例はたくさんあります。
では、見方を変えて、誰が富を創り出しているのでしょう。高い利益を出している会社、組織、人、国に投資できれば、理屈の上では儲かるはずです。そうなれば、やはり米企業ではないでしょうか。絶対的な競争力があり、配当の高い企業も多く、しかも猛烈に自社株買いしてくれます。
かつては元本リスクが気になりましたし、今も株価は高いところにありますが、長期的に見れば気にしない方がいいのかもしれません。過去10年で3倍になりました。為替リスクを優に上回ります。
そうした「ポートフォリオ」シフトが出ている感じがします。国内に投資先がない以上、外に求めなければなりませんが、かつてと違い、広い意味で米国への投資は日本国内よりよほど安全に見えます。
年初、円高ドル安の相場観を持ってましたが、変更しないといけないようです。すくなくとも、為替が動かなければ、外に投資した方が絶対得です。こうした外への流れが定着すると、日銀の金利政策もそのうち変更を迫られることになります。
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